こんにちは!マリオです。いつもブログの閲覧ありがとうございます。
難聴作業療法士が総合病院や老健、訪問で働いている経験から「作業療法士になりたい学生」や「作業療法士で働いている方」向けに明日から使える知識や体験談をわかりやすく話していきたいと思います。
臨床をしていると麻痺の治療法っていろんな方法があってどれを行えばいいか迷いますよね?

上肢機能訓練でいろんな治療法があることがわかったよ!物理療法でも治療できる方法はあるかな?

物理療法はたくさんの種類の治療法があるよ!今日はその一つ随意運動介助型機能的電気刺激療法(IVESを中心)について話していくよ!
いろんな治療法がある中で、促通反復療法や徒手的治療のみでは筋促通が難しいこともあります。
そこで、物理療法の一つ随意運動介助型機能的電気刺激療法(IVESを中心)について今回は話をしていきます!
随意運動介助型機能的電気刺激療法(IVES)とは?

IVESって何?

IVESは、電気刺激療法の一つになるよ!痙縮のコントロールや麻痺筋の促通ができるよ!
導出した筋活動電位に比例して電気刺激が行われる随意運動介助型機能的電気刺激(integreted voli, tional control electrical stimulator,以下IVES)は容易な装着・操作に加えて筋肉スイッチといえる自律型制御を採用している。筋活動電位測定と電気刺激を同一筋肉で行える特徴があり、従来不可能であった可動域にまで関節機能を拡大できる。
原 行弘 機能的電気刺激を用いた脳可塑性を生かすニューロリハビリテーション Jpn J Rehabil Med2016;53;:452-458
IVESの特徴
- 筋肉がスイッチを兼ねている自律型の制御の一種であり、緻密な制御と運動学習が可能
- 装着・操作が容易で毎日長時間使用可能
- 同一筋肉部位にて筋活動電位測定と電気刺激を行なえる

IVESはどんな人に適応する治療方法なの?機能レベルによっての適応とかあるの?

もちろんあるよ!わかりやすく下記にIVESの適応と禁忌患者一覧をまとめてあるからチェックしてみてね!
IVESの適応
病態:脳血管や運動器疾患
機能:感覚障害がないか軽度。麻痺したもしくは筋力が低下した手足がわずかでも動かせる 筋の活動電位をIVESが感知できる
禁忌 病態:てんかん発作を呈したことがあるペースメーカーやICM(植込み型心電図モニター)の使用 人工関節、体内に人工物が入っている 重度の感覚障害(脱失)がある 強い痺れがある 指示理解が悪い パット装着部に傷がある
IVESの効果とは?

IVESはどのくらい効果があるの?

IVESの効果は、脳卒中治療ガイドラインでグレードBと言われているよ!近年では、FuJiwaraらがIVESを用いたHANDS療法により、手指の随意伸展に同期した電気刺激療法による効果を示しているとも言われているよ。
「中等度の麻痺筋(手関節背屈筋,手指 伸筋など)には電気刺激の使用が勧められている (グレード B)」
日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会,小川 ら:脳卒中治療ガイドライン 2015.協和企画.東京.2015
「随意運動介助型電気刺激装置と 手関節装具を 1日 8時間併用し,日常生活での麻 痺手の使用を促す hybrid assistive neuromuscular dynamic stimulation(HANDS)therapy)は長期,持続的に上肢機能障害の改善を認め, 電気生理学的にも損傷半球運動野の可塑的変化と 脊髄相反性抑制の改善を認め,神経生理学的機序 としての脳・脊髄可塑性が明らかとされている。
Fujiwara T, Kasashima Y, Honaga K, Muraoka Y, Tsuji T, Osu R, Hase K, Masakado Y, Liu M:Motor improvement and corticospinal modulation induced by hybrid assistive neuromuscular dynamic stimulation(HANDS)therapy in patients with chronic stroke. Neurorehabil Neural Repair 2009:23:125-132」
IVESの使用方法とは?

IVESは実際にどう使用するの?機械を使うからなんだか難しそう…

IVESを使うには、少し練習が必要だよ!患者の状態に合わせてモードを変えることが必要だよ!慣れるととても使える治療法になるからぜひ使用方法を覚えてみてね!
IVESモードごとの解説
ノーマルモード:設定した刺激条件で電気刺激を出力します(筋活動電位は検出しません)
トリガーモード:治療対象部位の筋活動電位が設定闘値に達すると、設定した刺激条件で電気刺激を出力します。
パワーアシストモード:随意運動+電気刺激
治療対象部位の筋活動電位に比例した電気刺激をリアルタイムにフィードバック(出力)します。筋活動電位を表示するLEDランプにより、発揮した力を視覚的に確認できます。また、従来機種(PAS システムGD-601)より感度の上限が20% アップし、随意筋活動の弱い方でも筋活動電位が検出しやすくなっています。
①治療対象部位の筋活動電位に比例した電気刺激を出力し、筋を収縮させます。
②安静時には電気刺激による筋収縮は生じないため「休みたいときに休む」ことが可能。そのため「長時間の使用が可能」です。
外部アシストモード:治療対象部位とは異なる部位の筋活動電位に比例した電気刺激を出力します。筋活動電位が検出できない部位にも使用できます。
外部トリガーモード:
治療対象部位とは異なる部位の筋活動電位が設定閾値に達すると、設定した刺激条件で電気刺激を出力します。
OG-wellness 公式サイト引用 https://www.og-wellness.jp/product/medical/gd611-612
IVES使用方法
- 患者の機能に合わせてモードを変更。(例:筋収縮を得るのであればノーマルモード、随意介助で運動をアシストしたいのであればアシストモードなど)
- うまく電気を流すために筋のモーターポイントを触診しパットを当てる。
- パットを当てたら筋の収縮が得られるように電気の出力を調整する。
- 目的に合わせ課題指向型訓練や促通反復療法と合わせて行う。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
IVESを中心に説明を行いました。IVESは電気刺激療法のみだけでなく様々な治療法と併用することでより効果を高めることができます。促通反復療法とCI療法を併用することでも効果があるとも言われています。促通反復療法とCI療法についてもまとめていますのでぜひ下記も参考にしてみてください!
ぜひ、治療手段の一つとして参考にしていただけたら幸いです!
また今後も作業療法士についてもっと詳しく知りたい方はコメントしてもらえたらと思います。
次回もブログを楽しみにしてくださいね!!
ではまた!皆様にとって明日がいい日でありますように!
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